日本には、在留資格がないものの、諸事情により収容されず国内に留まっている外国の方がいます。現在、その中心となっているのが「監理措置」と「仮放免」という制度です。
1. 法的位置づけ:滞在は「許可」されているが「適法」ではない
まず重要な点は、監理措置(被監理者)も仮放免も、法律上の「在留資格」ではないということです。
本来は退去強制の対象ですが、病気や人道的な配慮、裁判中などの理由で、一時的に収容を解かれている状態にあります。そのため、厳密な意味での「適法な在留者」には含まれません。
2. 監理措置制度の背景
「監理措置」は、2023年の入管法改正により導入され、2024年から施行されました。この制度が新設された背景には、名古屋入管でのウィシュマ・サンダマリさんの死亡事件を受け、長期収容の解消が急務となった経緯があります。
従来の「原則収容」から、監理人の監督下で社会生活を認める「監理措置」を原則とする運用へとシフトしました。
3. 仮放免との違いと運用の変化
監理措置制度の導入により、従来の仮放免が適用される範囲は大幅に限定されました。現在の運用では、収容を解除する際の主要な手段は「監理措置」へと移行しています。
「仮放免」は、健康上の問題や人道的な配慮など、監理措置では対応できない特段の事情がある場合に限り、補完的に認められる仕組みとなっています。
4. 就労と自立における実務上の課題
監理措置にある被管理者は、制度上、一部で限定的な就労許可が得られるケースもありますが、実際にはこの立場で仕事に就くことは困難です。
法的地位の不安定さや、いつ送還されるか分からないという状況から、雇用先を見つけるハードルは極めて高く、私たちの現場でも就労先を紹介できないケースが少なくありません。
5. 制度の今後
この制度が、収容による人道上の問題を解決する一助となるのか、あるいは管理・監視を強める側面に留まるのか。今後も運用実態を注視していく必要があります。